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Q  内シャント作製術後のシャントのリハビリは何時から始めるといいですか?

(看護師  H.Nさん 長野県)

A  開始時に少なくとも出血,発赤などの炎症徴候が認められないことが重要。

      ※この質問や回答内容は,医療上の治療方針や診断決定などを指しません。必ず医師の指示に従ってください。

各患者の侵襲度によって開始時期は変えることに注意する。シャント発達は大事であるが,アクセス失敗(止血時の圧迫も含め)などシャントにかかる負担を下げ,再狭窄が進まないようにする。炎症時は血栓形成が惹起されやすい

シャント作製は,大きな侵襲を伴うと同時に,体内は非生理的環境下に置かれることになる。
特に,シャントを作製したことで,心臓へ戻る還流量が増加し血管だけでなく心臓なども負担が多くなることに注意する。その環境下に順応する期間も必要である。

また術前術中,患者によっては服用している薬も一時中止や減量したりします。透析が必要なら抗凝固剤の変更も必要となります。

シャントのリハビリは,シャントの発達には有効とされますが,無理にする必要はなく術後しばらくは安静にした方がいいと思います。

シャントの成熟には少なくとも1か月,十分な発達には半年は必要とされ,穿刺する頃にはシャントは少なくとも4mmまで発達している必要があると云われます。


出血や炎症が認められる場合はシャントの運動を行うよりも再狭窄が進まないように負担を下げるようしたほうがよい。
(穿刺はかなりの痛みを伴います。また脱血が悪い場合は,吻合部付近に留置してしまう傾向がありますが,脱血不良や血管内の圧損失(圧格差)は血栓形成が起こりやすくなります。)

無理に運動を行うと,出血に伴う血腫形成などが起こり閉塞や狭窄が起こりやすくなる。

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