Q 透析用語として呼ばれる「水引き」は,本当に水(H2O)だけですか。
(看護師 H.Nさん 長野県)
A 「水引き」は,水(H2O)だけを取り除いているわけではありません。
※透析施設によって用語の意味は違ってきますので,ここでの「水引き」は限外濾過をさす言葉として説明します。
限外濾過(クリックすると限外濾過のページで説明します)
限外濾過で通過した物質は・・・・水(H2O)だけではありません。
水だけでなく,膜の孔径を通過する事が出来る不要物質と必要物質の両方を含んだ水です。
つまり,透析の指標となる小分子量~中分子量の濃度は基本的には変わらない。
※膜孔径よりも大きい物質(赤血球,白血球など)は通過できないので濃縮する事になる。
不要物質や必要物質の両方を含んだ混合物を取り除いているので,血液中の透析の指標となる濃度は変わらない。
しかし不要,必要物質の両方を含んだ水分も一緒に取り除くので体重は減少します。
※イメージ: コップのコーヒーを半分捨てても,残っているコーヒーの濃度は変わらないのと同じ)
透析で除去しないといけない物質は,濃縮も希釈もされていないので濃度は施行前と施行後は変わりません。
ですが,上記の通り体重だけが減少していきます。
その見かけ上
血液濃度は変わらずに体重だけが減少することを「水だけ減らす」という意味で水引きと表現します。