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Q  除水は濾過ですか?限外濾過ですか?違いを知りたいです。

(看護師 H.Nさん 長野県)

A 除水は「限外濾過」です。広義の意味としては「濾過」と云われます。


濾過」とは,ある混合物(血漿と血球など)がフィルタ(分離膜)の孔径で,大きい物質と小さい物質などを分けることをさします。
言葉の通りであれば,「濾過」により膜孔径よりも小さい血液中の物質は透析液側へ移動することになります。

限外濾過イメージ図
※透析療法での物質が膜の外へ移動させるのは「濾過」だけでなく「拡散」も含まれます。 物質量(分子量)が小さい物質ほど拡散の影響が強いです。
※拡散については割愛させて頂きます。




しかし,透析での除水は「濾過」という表現を使うのは厳密的には不適当な表現方法です。

血液ポンプだけでは,血液中の老廃物や水を透析液側へ移動させることが困難だからです。
その理由は,透析膜の膜孔がとても小さいことや透析膜の素材,構造,有効面積も含めて処理する接触が限られていることが云われています。
※下図は,透析膜の孔径が小さいため,移動が困難である。

限外濾過のイメージ(透析膜使用) よって,通常の濾過だけでは,治療効果の高い移動が出来ません。より濾過の効率をよくするために,濾過に圧力をかけて利用します。
圧力を加えた濾過方法を「限外濾過」と云います。
その圧力は「陰圧」「陽圧」のどちらも指すことがありまし,血液側,透析液側のどちらでも圧力を加えることです。
透析監視装置の構造上,透析液側に陰圧や陽圧をかけて濾過するのが一般的です。





「除水」は「限外濾過」という表現が適当になりますが,広義の意味としては「濾過」と云えます。

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